達人インタビュー
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2016.4.13
達人インタビュー漫画家 緒方てい
誰もが楽しめる作品であることは当然ですが、 自分の中にあるものを描くことが大事だと思います
漫画家をめざしたきっかけを教えてください。
絵を描くことは好きでしたが、高校卒業後は10年ぐらいサラリーマンをやっていました。
でも「やっぱり絵描きになりたい」と思うようになって。その当時、同人誌を主宰する知人からもらった「漫画を書けば絵が上手になる」というアドバイスをきっかけに、独学で漫画を描き始めました。
今思えばかなり無責任な発言だと思いますが(笑)
そしてストーリーづくりの面白さに気がつき、本格的に漫画家をめざすようになりました。
デビューまでで一番苦労したことは何ですか?
デビューするまでは、苦労というよりはほとんど趣味・・・と言いますかそんな感じで描いていたのですよ。
当時はサラリーマンをしながら漫画を描いていたので、『漫画を描くこと=仕事のストレス発散』でした。
もちろん、読み切りを描いて出版社に持ち込んで断られたことは数知れませんが、作品を完成させる満足感がそれを上回ってましたね。
デビュー時に、面白いエピソードがあるそうですね。
実は持ち込み作品としてラブコメを描いていたのですが、ある時サラリーマンの仕事で溜まったストレスを発散するためだけに、ラブコメとは180度異なる血みどろのアクション漫画を描きました。
結果的には本命だったラブコメではなく、血みどろのアクション漫画の方が編集者の目に止まり、デビューが決まったんです(笑)
デビュー後もひと波乱あったそうですね。
普通は何作か読み切り作品を描き、評価されれば連載候補に・・・というのが普通の流れです。
ただ、当時はそういった慣例に疎くて、デビュー後に編集部から読み切り執筆の依頼をいただいた時に、ちょうどサラリーマンの仕事が忙しくて断ってしまって(笑)。
普通はそれで漫画家への道は終了・・・となるんですが、デビュー作を掲載してくれた編集長が「連載用のネームを描け」と言ってくださったんです。
デビュー後の読み切り作品掲載なしに、いきなり連載企画を立てる事となりました。
ジャンプアップですね(笑)
ただ、ここから連載まではかなり多くのネームを描きました。
野球ラブコメ、スポーツ、歴史もの、アクション・・・。
連載を獲得するまでに1年半かかってます。
ちなみに一番最初に描いた野球ラブコメは後に『アマチュアスラッガー』というタイトルで連載化されます。
結果的には、リュック・ベッソンの『ジャンヌ・ダルク』を観た担当編集さんの『中世を舞台にしたファンタジー』という言葉がヒントになって『キメラ』が生まれました。
漫画家デビューをめざす人が大切にすべきことは何だとお考えですか。
誰もが楽しめる作品であることは当然ですが、自分の中にあるものを描くことが大事だと思います。
実際にファンタジー漫画のジャンルに入る『キメラ』でも、私のサラリーマン時代の経験をもとに描いている部分が多くて。例えば敵キャラはかつての上司だったり(笑)。
サラリーマンの経験は、決してサラリーマン漫画でしか使えない訳じゃありません。
作画方法を教えてください。
最近はプロ漫画家の間でもフルデジタルで描く先生が増えているようですが、まだ少数派かもしれません。
今はコマ割りからペン入れあたりまでをアナログで行い、着色やトーン貼りなどをデジタルで行う先生が多いと聞きますが、私はまったく逆なんです(笑)。
▲緒方先生が作画されているテーブル
コマ割りからペン入れまでをデジタルで行い、それを用紙に出力してアナログでトーンを貼って仕上げています。
今の私はこちらの方が早く仕上がるし、何となく最後は紙じゃないと安心できなんです。いずれはフルデジタルで漫画を描くことになるでしょうが。
プリズマのサービスをご覧になった感想をお教えください。
全面印刷ができるのは凄いですね。
フロントとバックがつながるデザインをプリントしたら面白そうですね。
Webサイトを拝見する限り印刷のクオリティも高そうです。
最後に、漫画家をめざす人にメッセージをお願いします。
拙作の『ラフダイヤモンド』の中でも触れたんですが、近頃は漫画でもテレビドラマでも「漫画家はきつい仕事だ」と劇中で言いすぎていて、ツラい部分ばかりがクローズアップされている気がします。
大変なのはどの仕事でも同じ。ラクで楽しいだけの仕事なんて世の中にはありませんから。
確かに漫画家って、毎日徹夜して描いているイメージがあります。
徹夜なんてそう滅多にしませんから。
もちろんしてる人もいますが(笑)
『ラフダイヤモンド』で伝えたかったのは、大変な仕事だけど漫画家になったからこそ体験できる楽しいことも数多くあるということ。
だから皆さん、ドラマや映画の情報に惑わされることなく、漫画家をめざしてがんばってください。