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コピー転写, トナー転写(LASER TRANSFER)
コピー転写という言葉と技術には変遷があります。単純にコピー転写と聞いた場合にはどれのことを指しているのかわかりませんが、どれもコピー機を使用して作成する転写であるという点は共通です。レーザー出力のコピー転写、インクジェット出力のカッティング転写、昇華転写ニついても説明します。
転写の原点
レーザープリンターもインクジェットプリンターもなかった昔。PCさえなかった昔になりますが転写はシルクで印刷されていました。必要な色数分の版を作成し、インクを全色調色し、1色ずつ色を重ねながら印刷し、最終白で隠蔽性を確保したのちにでホットメルト樹脂をプリントして出来上がります。非常な手間がかかり身近なものではありませんでした。最終工程でホットメルト樹脂をプリントすることは現在も変わりませんので転写プリントの変遷は印刷技術の変遷とまさに重なります。
最初期のコピー転写
私が記憶している最も古いコピー転写は樹脂がコーティングされた専用紙をコピー機に通すというものでした。隠蔽性は皆無ですので白い生地ににしか転写は行えません。転写すると樹脂と一緒にトナーが転写されます。何もコピーされていない部分(デザインの使途いい部分)も透明(若干黄色っぽい)な樹脂が転写されてしますのでデザインの周辺をハサミでカットしてこの不要な当面部分が目立たないようにします。透明ではあっても樹脂はけっこう分厚く、着心地がよいものfではありませんでした。インクジェットがまだない時代でシルクプリントが主力の時代でしたから版を作成せずにモックが作成できるという点ではそれなりに役目は果たしでいましたが樹脂感が樹脂が透明なだけに余計に気になり、着用できるようなクオリティーではありませんでした。
トナーのみ転写できるコピー転写
この樹脂感たっぷりのコピー転写が不評であったため、樹脂感の少ないコピー転写が待望され、それに答える形でトナーだけが転写できる転写が登場してきましたがこれも白生地専用の転写です。確かにトナーのみが転写はされるものの100%とはいかず全体に淡い仕上がりになってしまいます。洗濯堅牢性もよく無いにもかかわらず比較的使用していた記憶がありますが、徐々に使用しなくなっていきました。はやり評判がよくなかったか、もしくは高額だったのかもわかりませんが記憶があいまいです。
シルクを併用するコピー転写
このあと転写業界に大きな変化が訪れます。カラー出力したコピーのデザインに合わせた版でシルクのホワイトラバープリントを行いホットメルト樹脂を振りかけて製造する転写の登場です。インクジェットもカッティング転写もない時代この転写は大ヒットになり、弊社でも大量に生産しました。デザインの周りに白縁がつくという難点はあったものの画像の色や濃度は出力がそのまま再現され、黒いTシャツにも使用できるという画期的な転写でした。
インクジェットとカッティング転写の登場
シルクを併用するコピー転写は画期的なものではありましたが、時代は移りインクジェットの波がやがてやってきます。インクジェットプリンティングは印刷業界全体に拡大しながら進化していきましたがTシャツの転写についてはカッティング転写と呼ばれる製品が登場してきました。カッティング転写は版の作成が不要な点にアドバンテージがありました。コピー転写が最大A3という大きさに縛られる点が改善されたのも大きかったと思います。価格的にはカッティング転写は特に安いものではありませんが、カッティング転写を出力できるインクジェットマシンでステッカーやポスターといったその他さまざまな印刷物が可能なため機械自体が普及し、インクジェットマシンを所有するプリンターはカティング転写を使用することを好みました。インクジェットマシンの普及とともにシルクを併用するコピー転写の需要は激減することになりますがまだ現役で活躍しています。
昇華プリントの登場
昇華分散染料を紙にプリントし、熱圧着で生地に染料を移行させる手法を弊社では昇華プリントと呼んでいますが、昇華捺染や昇華転写とも呼ばれます。ポリエステルの白い生地限定の商法ですがスポーツアパレル中心に完成された手法として定着しています。昇華転写は衣料品だけでなくマグカップやシフォンケースの印刷にも使用されます。昇華転写はインクジェットプリンターで印刷しますのでコピー転写とは異なる分野の転写ニなります。
トナー転写の登場
トナー転写は新たに登場した従来の技術とは異なる転写でヨーロッパを中心にと人気の手法となっています。インクジェットで出力する転写に比べると発色がいまいちという弱点はあるものの、無製版でもってシルク版を併用する転写にせまり、なおかつ白縁をつける必要がないという特性は現時点で最も優れた転写といえるかもわかりません。