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ファインラバープリント(FINE RUBBER PRINTING)

ファインラバーはtシャツプリントインクのベーシックスの一つで、半ラバーとかハーフラバーと呼ばれているものにも似通ったインクです。ファインラバーを含むTシャツプリントのメジャーなインク4種について説明します。

Tシャツプリント用インクの種類

Tシャツにオリジナルプリントを行うには転写、インクジェットプリンティング、昇華プリントから刺繍や手書きまで様々な手法が存在しますがシルクスクリーンは最もメジャーな手法です。シルクプリントの魅力の一つはインクの多様性です。様々なTシャツプリント用のインクがリリースされていますが本来Tシャツプリント用のインクではないものさえ使用することが可能です。例えば水。水は液体ですので粘度がなく水をインクとして使用するという発想さえ出てこないと思いますが実際には可能です。そのままではプリントできないのでまず増粘剤のような薬品を使い水を洗濯のりのような状態に変化させます。この状態ではインクを定着することができないのでアクリル樹脂を添加会います。これでカラーを定着することができますので顔料で調色し、プリントを行います。水プリントの加工実績はコレクション_0393でご確認いただけます。しかしながらシルクプリントでこういった特殊なインクを使用することは比較的に少なく、通常顔料プリント、水性ラバープリント、ファインラバープリント、プラスティゾルの4インクが使用されています。それぞれのインク、プリントについて下記に説明を連ねます。

顔料プリント

顔料プリントという呼称は誤解を招くことが多く、名前を変えた方がいいと思うのですが古くからの呼称なので難しいと思います。古代から着色剤としての顔料は存在しましたがこれを使用して衣料品に印刷するという技術は存在しませんでした。型染友禅から始まったとされる捺染は一見現在のプリントに似通っていますが実際には染料を使用してプリントしていました。そこへアクリルバインダーを用いて顔料を印刷する手法が登場し、染料との対比で顔料プリントと呼ばれるようになりました。シルクプリントはその後ラバープリントに発達していきますがラバープリントの着色にも顔料を使用しますのでこの段階で顔料プリントという呼称が適切でなくなったということです。顔料プリントと呼ばれるのはラバー系の樹脂を用いないしみこみ系のプリントのことです。

ラバープリント

水性ラバープリントもしくは単にラバープリントと呼ばれています。現在最も一般的に使用されているインクになります。あえて水性と呼んでいるのは油性ラバーとも称されるプラスティゾルとの混乱を避けるためです。ラバープリントは隠蔽性や調色のもウ的に合わせてクリアー、着色用、ホワイトのタイプがあり、樹脂はアクリルかウレタンが使用されます。印刷乾燥後気に状に薄いゴム状の樹脂層が形成されラバープリントと呼ばれます。黒生地に白をプリントするときは複数回塗布を重ねます。隠蔽性は高まりますが通気性はなく樹脂感は強まります。真っ白なプリントでなおかつソフトな風合いが欲しいというご希望がよくありますが、これは簡単なことではありません。実現できるとすると抜染か着色抜染になりますが非常のトラブルが多い加工で現在ほぼ受注がありません。抜染については抜染加工実績を参照ください。抜染以外にこのご希望に近い加工がファインラバーになります。

ファインラバー

ファインラバーは繊細なラバー的な意味です。基本は水性ラバーインクですが樹脂固形分が少ないために風合いは比較的ソフトですが通気性はありませんので「しみこみラバー」とは呼べません。樹脂固形分が少ないため綿生地には使用できてもポリエステルは剥離の恐れがあります。樹脂固形分が少ないということは白のチタン顔料を多くは含有できず、真っ白なプリントはできません。見た目には単に隠蔽性のよくないラバープリントです。多色プリントの場合重色部分が予想しない色になってしまいますので1色プリント、もしくは色と色が重ならない多色プリントに限定されます。以上の説明で選択するメリットがないように聞こえるかもわかりませんがアパレルでは結構使用されます。生地に組織がインクに透けて見えるのも見方によっては面白いといえます。

プラスティゾル

Tシャツの本場USAでは最も一般的に使用されています。プラスティック(PVC),ポリ塩化ビニルのインクです。回転式の自動機で行われ、10色以上使用するプリントを大量生産するのには向いているインクとシステムです。プラスティゾルの利点の一つは乾燥が熱重合型だということです。熱がかからない限りインクが効果しませんので通常の状態での目詰まりを起こしません。細線のプリントや65線程度の網点のプリントやカラー分解も可能ですが現在この分野はインクジェットでのプリントに急速に変わりつつありますが海外の展示会で見る限りはまだまだ人気があります。弊社でもプラスティゾルは使用していますがポリエステル素材の場合はマイグレーションの問題があり、使用は限定的になります。水性ラバーの替わりに使用するよりシリコンプリントに似た厚膜プリント等に多く使用します。

セイㇺステンシルコレクション

シルクプリントの魅力の一つに一度作成した同じが版で異なるインクを使用することができるという点を挙げることができます。弊社サイト内SAME STENCIL COLLECTIONで4種とそれ以外のインクの手法がご確認いただけます。